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特別連載ブログ フィルムカメラのある生活

2018.09.10

ニコマートFTN 60年代を代表する基本機能完備のフィルム一眼レフカメラ

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ニコマートFTN

今回はニコンが1960年代に発売したフィルム一眼レフカメラ「ニコマートFTN」(Nikomat FTN)についてご紹介します。

いまでも世界を代表するカメラメーカのニコン。
その人気の秘密は今も昔も高性能なニッコール(Nikkor)レンズ。
ニコマートFTNは、そんなニッコールレンズをより手頃な値段で使えるように発売された大衆機です。

いまでいえば、D3400やD5500といった下位機種に相当するカメラ。
ですが、ニコマートFTNは非常に真面目な作りで、頑丈かつ精密感あふれるカメラなのです。

1960年代の日本のものづくりが真摯に作り上げたフィルムカメラ。
それがいまなら、中古でとても安価な値段で手に入ります。
機能的にも、マニュアル操作のフィルムカメラとして基本的なポイントをすべて備えているので、過不足なくフィルムカメラの魅力を味わえますよ。

ぜひニコマートFTNでニッコールレンズの魅力を味わってみませんか?

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ニコマートFTN

では早速、ニコマートFTNの特徴や性能について見ていきましょう。

ニコマートFTNの性能・スペック

ニコマートFTN

形式 35mmフィルム一眼レフカメラ
シャッター B、1秒~1/1000秒
機械式
縦走り金属幕フォーカルプレーンシャッター
ストロボ同調速度1/125秒
露出計 TTL開放中央重点測光
CdS受光素子
針による中央合致式
露出 マニュアルのみ
ファインダー アイレベル固定式
0.86倍
下部にシャッター速度表示
レンズマウント ニコンFマウント
対応レンズ カニ爪のある各種ニッコールレンズ
電池 MR-9水銀電池
発売年 1968年

ニコマートFTN(Nikomat FTN)は、1968年に当時の日本光学(現ニコン)が発売したフィルム一眼レフカメラ。

1960年代の「大衆機」と呼ばれる中古フィルム一眼レフカメラのなかでも、代表的な機種のひとつです。

日本光学の大衆機

1960年代、日本製のフィルム一眼レフカメラは世界的にどんどん普及していきました。
1960年代半ばには、販売されるカメラの半数以上が一眼レフカメラに。

しかしニコンは、販売台数の多くを占める大衆機では出遅れてしまっていました。

当時のベストセラー、ライバル機種といえばアサヒペンタックスSPミノルタSR-T101
それに対して、ニコンのメインとなる機種は、プロ向け高級機のニコンFだったのです。

伝説の名機ニコンFの特徴・おすすめモデルを一挙紹介!

いまでいえば、フルサイズのデジタル一眼カメラ専業に近い状態。

じつは、ニコマートFTN以前にもニコンは廉価な機種を送り出していましたが、どの機種も成功しませんでした。
しかし、このニコマートFTNがニコンの大衆機の決め手となり、より幅広いユーザーに使われるようになっていくのです。

ただし、ブランドは「ニコン」ではなく「ニコマート」となりました。
当時の日本光学としては、ニコンというブランドはプロ向けの機種だけのものだったのです。

ニコンならではの真面目なつくり

ニコマートFTN

ニコマートFTNの印象は「質実剛健」に尽きます。

手で持つと感じるのは「剛性感」。
角ばったボディはガタひとつなく精密感あふれるもの。

廉価機種であっても、当時の上級機種、ニコンFにひけをとりません。

それも当然。
当時のフィルムカメラは、いまとは比べ物にならない高級品。
ニコマートが発売した1968年の初任給が29,100円。
それに対して定価は60,000円だったので、1ヶ月の給料の2倍にもなるのです。

また、廉価機種とはいえ、ペンタックスやミノルタの大衆機よりは定価も高め。
これは、安いカメラだからといって一切手を抜くことがない、世界のニコンのこだわりといえるでしょう。

いま中古で売られているニコマートFTNも、致命的な状態になっていることはまれ。
内部の部品が壊れることはほとんどないので、どんなに状態が悪くても分解整備すれば直すことができるのです。

ニコン初の内蔵露出計

ニコマートFTNは、TTL式露出計をボディに内蔵しています。

レンズを通った光を計測するTTL露出計は当時の最新技術。
しかも、この露出計の機能の面では、ニコマートFTNは上位機種のニコンFに大きく勝っているのです。

ニコンFは、本来露出計を内蔵する構造になっていませんでした。
そのため、露出計は「フォトミックファインダー」と呼ばれる交換ファインダーに内蔵され、取り付けるとまるで違法増築されたような姿になってしまうのです。

Nikon F FTN

それに比べてニコマートFTNは、もともと露出計を内蔵することを前提に設計されているので非常にスマート

当時のプロカメラマンの中にも、露出計を使うためにあえてニコマートFTNを使った方もいたようです。
(プロの使用に耐えたのも、ニコマートFTNの質実剛健さゆえです)

ニコンのガチャガチャ

ニコマートFTN

このニコマートは、露出計を使うために、レンズを取り付けたときに独特の「儀式」があることでも知られています。

それが「ニコンのガチャガチャ」です。
これは、レンズの開放F値をボディに入力するための操作

具体的には、以下のように行います。

・レンズの絞りリングをF5.6にする
・ボディに取り付けるとき、半円形の爪の中央なるスリットに、ピンを噛み合わせる
・絞りリングを最小絞り(F22やF32など)まで回す
・絞りリングを開放(F1.4やF2)まで回す

つまり、レンズを取り付けるときに、絞りリングを最小絞り〜開放と往復させる必要があるのです。
このときに、内部機構がガチャガチャと音を立てるので、ニコンのガチャガチャと通称されるようになりました。

手間は少しかかりますが、中古フィルムカメラならではの操作は、いまでも往年のニコンユーザーに愛されています。

幅広いニッコールレンズが使用可能!

この、ニコンのガチャガチャのおかげで、ニコマートFTNは1960年代から1990年代まで、非常に幅広いレンズの使用が可能です。

カニ爪がついている、
・オートニッコール
・Aiニッコール
・Ai-Sニッコール

が使えるのは当然。

さらに、絞りリングのあるAFレンズには、ニコンのサービスセンターでカニ爪の後付が可能なものが存在しています。
後付改造をしてもらえば、当然、ニコマートFTNの露出計を使うことができるようになるのです。

ニコンの中古レンズについてはこちらもご覧ください。

ニコン 生産停止中古レンズ 銘玉15選 2本目を買う前に!

ミラーアップも可能

ニコマートFTNはミラーアップも可能。

ミラーアップとは、一眼レフカメラ内部のミラーを、あらかじめ跳ね上げておくこと。
こうすることで、三脚につけた際などにブレを防ぐことができます。

しかも。
当時販売されていた、後玉が大きく張り出たレンズ、21mm F4の取り付けも可能なのです。
このレンズはレンジファインダーカメラ用を流用したもので、ミラーアップしないと物理的に干渉して取り付けできません。
ニコマートFTNがミラーアップを搭載したのは、販売しているレンズの互換性も意識していたといえるでしょう。

ミラーアップは、正面から見てレンズ右側のレバーをスライドさせて行います。

ニコマートFTN

独特の位置にあるシャッターダイヤル

ニコマートFTN

ニコマートFTNのシャッターダイヤルは、ニコンの多くの中古一眼レフカメラとは異なり、レンズマウントの基部にあります。

これは、ニコマートFTNの設計上の理由によるもの。

ニコマートFTNは、コストダウンのためシャッターの部品を外注しています。
ニコンFやニコンF2が横走りシャッターなのに対し、ニコマートFTNが縦走りシャッターなのもそのため。

ニコマートFTN

そのシャッター、「コパルスクエアS」の構造上、シャッターダイヤルをレンズマウント基部に置く場合、シャッターダイヤルをボディ前面に配置することが理にかなっていたのです。
(当時のコパル製シャッターを採用した他機種にも、シャッターダイヤルをボディ前面においたものがあります。リコーフレックスTLS401など)

なお、構造上シャッターの数字が見づらいこともあり、ファインダー内でもシャッター速度が確認できるように配慮されています。

コパルスクエアSはユニット化されており、構造は非常に堅牢
外注部品とはいえニコンのカメラ本体にひけをとりません。

後年のニコンFMシリーズなどにはシャッター羽根が壊れてしまったものもあるいっぽうで、ニコマートFTNのシャッターが破損したというのは聞いたことがありません。

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ニコマートFTNのバリエーション

1968年に発売したニコマートFTNは、1975年に後継機、ニコマートFT2に交代するまで販売され続けるロングセラーとなりました。

そのためバリエーションがあり、大きく前期型と後期型に分かれます。

見分けるポイントは巻き上げレバーとセルフタイマーレバーです。

前期型

前期型は、巻き上げレバーやセルフタイマーレバーが金属の削り出しです。

後期型

後期型では、巻き上げレバーとセルフタイマーレバーにプラスチック製の指当てがつきました。

なお同時かはわかりませんが、貼り革のシボを滑りにくいものに変更、ストラップアイレットの摩耗対策にステンレスブッシュを挿入する、などの改良も施されています。

NikomatとNikkormat

また、ニコマートFTNなどニコマート(Nikomat)シリーズのカメラは、海外では別ブランドでも販売されたことが知られています。

それが、Nikkormat(ニッコールマット)
名前が変更された理由は、Nikomatという商標が海外ではバッティングしてしまったため、といわれています。

日本では珍しい印象ですが、製造数が多く、中古でも値段は少し高めなくらいなので、一味違うニコマートがほしい方は探してみるとよいでしょう。

ニコマートFTNと兄弟機

FTNと同じニコマートの兄弟機。

ニコマート以前の廉価機種を含め、簡単に違いを紹介します。

ニコマート前史

ニコマートシリーズ以前にも、ニコンは廉価版の一眼レフカメラを発売していました。

それがニコレックス(Nikkorex)シリーズ
レンズ交換式(Nikkorex 35、35II、ZOOM 35、Nikon Auto S)とレンズ交換式があります。

Fマウントのレンズが使えるNikkorex F(1962年)は、マミヤ製品(マミヤプリズマットNPがベース)のOEM。
あまり評判がよくなかったようで、OEMによるニコン製一眼レフはFM10まで途絶えることとなります。

ニコマートFT系

ニコマートFTNをはじめとするFT系機種は、機械式シャッターのマニュアル露出機です。

ニコマートFT(1965年)

ニコマート(Nikomat)の始祖となるカメラです。

FTNとの違いは、
・露出計が平均測光(FTNは中央重点測光)
・ガチャガチャがなく、レンズの開放F値を手動設定する必要がある

ということです。

ニコマートFS(1965年)

ニコマートFTの廉価版で、露出計を省略。

当時の露出計を省略した廉価機種に非常にありがちなことですが、製造数が少なく中古ではニコマートFTやFTNよりもずっと高値で取引されています

なおミラーアップも省略されています。

ニコマートFTN(1968年)

この記事で解説しているカメラです。

ニコマートFT2(1975年)

ロングセラーとなったニコマートFTNのマイナーチェンジ

外観では、アクセサリーシューが固定式のホットシューとなったことが目立ちます。
(FTNではアクセサリーシューは取り外し式)

その他、電池がSR44となったのも、今となっては使いやすさにつながるうれしいポイントです。

ニコマートFT3(1977年)

ニコマートFT2の露出計連動機構を、ニコンのガチャガチャをやめ、「Ai方式」にした機種。
Ai爪が可倒式なので、非Aiレンズも絞り込み測光で使用可能です。

ニコマートFT系の最終機種で、この機械式フルマニュアル機という流れはニコンFM系に受け継がれていくこととなります。

Nikon NewFM2写真がうまくなるフィルム一眼レフ

ニコマートEL系

電子シャッターのニコマートです。

ニコマートEL(1972年)

ニコマート(Nikomat)には、FT系のほかにEL系というまた別の流れもあります。

こちらは電子式シャッターの絞り優先AE機。
シャッターダイヤルは、他のニコン製カメラと同様、ボディ上面に移動しました。

ニコマートELW(1976年)

ニコマートELにワインダーを取付可能としたモデルです。

ニコンEL2(1977年)

ニコマートFT3と同様、Ai方式のカメラです。
Ai爪は可倒式。

設計上ニコマートの構造を受け継いでいますが、それまで日本光学が廉価機種につけていた「ニコマート」ブランドをやめ、上位機種と同様「ニコン」ブランドとなりました

これ以降、日本光学のフィルムカメラはニコンブランドでの販売が基本となります。
(水中カメラのニコノスなどを除く)

絞り優先AEの電子シャッター機という流れは、ニコンFE系のカメラに受け継がれていきます。

絞り優先一眼レフ・ニコンFE――FMの陰に隠れた悲運の名機

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ニッコールを手軽に使う選択肢

ニコマートFTNは中古価格が非常に廉価。

ニッコールの中古オールドレンズを手軽に使うのに最適な選択肢です。

とても堅牢なカメラなので、状態がよい個体なら、末永く使っていくことができますよ。

自分の手で操る、機械式のマニュアル中古カメラ。
ニコマートFTNで、中古カメラの世界を楽しんでみませんか?

著者紹介:サンライズカメラ

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