特別連載ブログ フィルムカメラのある生活
こんにちは、雨樹一期です。フィルム・ミラーレスの撮り比べコラム第三回も、引き続きCONTAX Carl Zeissのレンズになります。
焦点距離はこれまでで一番長い、『Sonnar T* 135mm F2.8』です。
望遠(中望遠)レンズは、人によってはあまり使わないかもしれませんが、僕は家族撮影でのメインレンズが70〜200mmのレンズ。
実際に撮影するのがちょうど135mm付近が多いので、手慣れています。
思っているよりも大きく写りますので、扱いにくいと感じるかもしれませんが、慣れていくほどに面白くなる焦点距離です。
使えるようになると、手放せなくなりますね。
前回の記事はこちら
オールドレンズ撮り比べ ② CONTAX Distagon T* 25mm F2.8 & Planar T* 85mm F1.4(作例あり)

Carl Zeiss Sonnar T* 135mm F2.8の作例
CONTAX Ariaで撮影(フィルムカメラ)
絞り優先/感度:ISO200/F4
フィルムは安価な割に粒状性も良い「FUJI C200」を使用。黄色〜赤カブリをすることもあり、フィルムらしい雰囲気で撮れます。
デジタルのピントカリカリ感もなく、ほど良い甘さがありますね。
ちなみに被写体のカメラはハッセルブラッド。レンズはCarl Zeiss。かっちょええですねー。
レンズは自社では開発せずにCarl Zeiss社にお願いしたことからも、Carl Zeissのレンズがいかに優秀だったか、ということが分かりますね。
絞り優先/感度:ISO200/F5.6/露出補正−2/3
絞り優先/感度:ISO200/F4/露出補正−1
この二枚。ただ地面を写しているだけなんですけどね。なんか凄く好きな二枚。
Ariaの魅力なのか、レンズなのか、フィルムなのか、僕の腕なのか(笑)。どれもあると思いたいです。
50mmのレンズだとこれは撮らない構図なんですよね。
中望遠だからこそという撮り方はあるので、お持ちでない方はぜひ試してみて欲しいです。撮影の幅がぐぐっと広がりますよ。
絞り優先/感度:ISO200/F2.8/露出補正−2/3
絞り優先/感度:ISO200/F5.6
こっち側とあっち側から撮影。光の当たり具合も違うので、雰囲気も変わりますね。
望遠レンズは広角レンズとは違って、同じ絞り値でもボケ具合が大きくなります。なので、F5.6でもしっかりボケます。
絞り優先/感度:ISO200/F2.8
絞り優先/感度:ISO200/F4
絞り優先/感度:ISO200/F2.8
上記は名古屋にある『文化の道』で撮影。このエリアには歴史的建造物が残されています。
相性だけを考えると、『デジタル<ミラーレス+オールドレンズ<フィルム』ですね。
逆に言うと、僕はノスタルジーを感じる場所が好きなので、フィルムにハマりました。『Sonnar T* 135mm F2.8』との相性も良いですね。
絞り優先/感度:ISO200/F2.8
望遠は前ボケも活かせます。ポートレートなら、『花・人・花』という風に、人を挟んで撮るだけで、ふんわり柔らかな一枚になります。
これまでに25mm・50mm・85mmと撮影をしてきましたが、僕的には一番いい写真が多かったのが『Sonnar T* 135mm』です。
Ariaの扱いに慣れてきたというのもあるかもしれませんが、欲しいなーこのレンズ。光の滲み具合が一番僕好みでした。
購入するならその前に50mmなんだろうけど。すっかりハマってしまいました。
絞り優先/感度:ISO200/F8
ちなみに、135mmでも圧縮効果は出ますね。
これは、遠くのものが大きく写る効果のことで、それにより距離感が弱く感じます。
実際は、うなぎの看板・熊・焼き肉とそれぞれ数10mは離れているのですが、3・4歩くらいの距離に感じますね。
Sony α7で撮影(ミラーレスカメラ)
絞り優先/感度:ISO200/F2.8/露出補正+1.3
続きまして、ミラーレスで撮影。フィルムとの違いがより分かるように、RAW現像で手を加えたりせずに、ほぼ撮って出しの状態。ホワイトバランスもオートです。
フィルムとは色合い自体はガラッと変わりますが、こちらもしっかりとした色乗りですね。
絞り優先/感度:ISO200/F2.8/露出補正+1.3
これぞ望遠レンズ、というボケ味ですよね。ミラーレスで撮るとピントの甘さもややなくなりました。
開放で撮ると、被写体がふわっと浮かぶので、ポートレートや花の撮影にもオススメです。
絞り優先/感度:ISO200/F5.6
手前に木のボケを入れつつ、絞って撮影。全体が引き締まりますね。
絞り優先/感度:ISO400/F8/露出補正−1
F8まで絞ってみました。雲の輪郭もカリッとしました。
そしてグラデーションは滑らかです。
絞り優先/感度:ISO400/F5.6
別になんてない写真ですが、135mmという焦点距離だからイルカショーも大きく撮影が出来ますね。
絞り優先/感度:ISO400/F2.8/露出補正+2
定番の猫写真も入れておきます(笑)。白い毛布で逆光で、かなり露出オーバー気味に撮影しました。
白飛びもしていますが、ギリギリの粘りもあります。
絞り優先/感度:ISO600/F2.8
絞り優先/感度:ISO600/F2.8/露出補正+1
最後は燕。上は生まれた直後。下は巣立つ一日前です。
ガレージの中で天敵のカラスからも身を守れる場所ですくすく育って、ギュウギュウ詰めやないかい(笑)!
巣ごと落ちるんじゃないかと心配でした。
それなりに貴重なショットですが、これもまた135mmという焦点距離だからこそ撮れる写真ですね。あまり近付き過ぎちゃうと親鳥は餌をあげに帰ってきませんから。
レンズの性能がいいのはもちろんですが、単純にこの焦点距離のレンズは一台は確保しておきたいですね。
最後に。一言でまとめてみると、『Sonnar T* 135mm F2.8』は、僕がとらえた光を最大限に活かしてくれる。そんな気持ちになるレンズでした。
ということで、『Sonnar T* 135mm F2.8』の写真を見た上で、第一回の『Planar T* 50mm F1.4 』をぜひ見比べて見て下さい。
撮り方や使用したフィルムの違いこそありますが、色の乗りや描写がミラーレス同士でもガラッと変わっているのが分かるかと思います。
次の記事はこちら
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