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2018.07.05

Industar(インダスター)安価なロシアレンズの代表の特徴とは?

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インダスター61

今回は、ロシアレンズの代表格ともいえる、Industar(インダスター)シリーズについて紹介します。

Industarとは、ロシアレンズのなかでも廉価なラインの交換レンズに付けられた名前。
他のロシアレンズ同様、大量生産されたためとても安価に中古を購入することが可能です。

設計に無理がないため描写も良好。
テッサー同様の3群4枚構成のレンズは、切れ味鋭い描写をみせてくれますよ。

それでは、具体的にインダスターとはどんなレンズなのか見ていきましょう。

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Industar(インダスター)銘のレンズ紹介 レンジファインダー用篇

旧ソ連製のロシアレンズに数多く存在する、Industar(インダスター)というレンズたち。
インダスターとは「工業製品」という意味。
レンズの名前はコード番号によって種類が分けられています。

つまり、たとえばインダスター61は「工業製品61号」といった意味合いとなります。

まずは、Industarという名前のレンズの中でも、レンジファインダーカメラ用のものを見ていきましょう。

Industar-61(インダスター61、Lマウント)

インダスター61

レンズ構成 3群4枚
マウント ライカLマウント(キエフ用も存在)

ライカLマウントのインダスター61は、インダスターシリーズのなかでももっともメジャーなレンズのひとつ。
長期間に渡って大量生産されたため、各種のレンジファインダー用レンズのなかでも、もっとも安価に購入できることでも知られている製品です。

安価なレンズとはいえ、けっして描写に劣った部分がないのがすごいところ。
それもそのはず、このレンズの構成は、3群4枚の正調テッサータイプ。
ツァイスのテッサーは「鷹の目」と呼ばれたほどに切れ味するどいことで知られています。

コーティングはマルチコートです。

インダスター61のバリエーション

インダスター61は製造期間が長く、レンズ名や外装などにバリエーションがあります。
基本的にはレンズ構成も同一と思われるにもかかわらず、焦点距離の表示まで異なります。

インダスター61 52mm F2.8

ピントリングと絞りリングが黒色で、それ以外の箇所は素材の金属色がむき出しのインダスター61です。

インダスター61

焦点距離の表示は52mm。

仕上げからもわかるように、この名称のレンズのなかでは比較的製造が古いものです。
1960〜70年代に製造されたものとされています。

絞り羽根は10枚の円形絞り。

旧ソ連のカメラボディのなかでも、FED4に取り付けられていたことが多いようです。

インダスター61 L/D 53mm/55mm F2.8

fed2とfed5
インダスター61 L/D(右)

上記のゼブラのモデルから時代が下ったモデルです。
外装は黒色。

fed2とfed5
インダスター61 L/D(右)

このレンズですが、焦点距離の表示に53mmと55mmという2種類があります。
基本的にはレンズ構成は同じと思われるため、なぜ表記が違うのか謎です。

絞り羽根は6枚。

製造年代が新しいため作りが粗いこともありますが、レンズ性能自体は良質です。
同時代のカメラボディとしてはFED5が相当します。

インダスター61 52mm F2.8作例

このとおり、安価なレンズでも描写は非常に良好です!

ボディ:Zorki-3S
フィルム:フジ業務用100

インダスター61試写

インダスター61試写

インダスター61試写

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Industar-26M(インダスター26M、Lマウント)

fed2とfed5
インダスター26M(左)

レンズ構成 3群4枚
マウント ライカLマウント(キエフ用も存在)

インダスター26M 5cm F2.8は、上記のインダスター61の前身ともいえるレンズ。
基本的には中古市場ではインダスター61とほとんど同じものと扱われていて、中古相場もほとんど変わりません。

特徴が銀色の外装。
金属の質感そのままなクラシカルな雰囲気を楽しみたい場合、おすすめのレンズだといえるでしょう。

fed2とfed5
インダスター26M(左)

こちらは焦点距離は5cm(=50mm)と表記されていますが、レンズ構成自体はインダスター61と同様と思われます。

こちらも、Lマウントのインダスター61と同じく、Lマウントの中でもっとも安価に中古が手に入るレンズだといえるでしょう。

製造年代としては1950〜1960年代。
同時代の旧ソ連製カメラボディとしては、FED2が代表的です。

Industar-22(インダスター22、Lマウント)

noimage

レンズ構成 3群4枚
マウント ライカLマウント

インダスター22 5cm F3.5も、インダスター銘のなかでは有名なレンズ。
このレンズの特徴は、沈胴レンズだということ。

一見してライカのエルマーを想像させる外観は、クラシカルで非常に魅力的です。

性能面でも、他のレンジファインダー用インダスターと同じく、3群4枚の構成なので、一定以上のレベルを保っています。
開放値がF3.5なので、無理がない設計ならではの上質な描写を楽しめるでしょう。

同時代のソビエトカメラとしては、バルナックライカコピーのFEDやZorkiが挙げられます。

エルマーより優れた部分も

このインダスター22、戦後の設計ということもあり、ライカのエルマー5cm F3.5より使いやすい部分もあります。
それが絞りリング

エルマーの絞りリングはレンズ周囲にあり、指掛けが小さく回しにくいもの。
いっぽう、こちらのインダスター22は、場所は同じですが、リングの指が掛かる部分が大きくなっており、ライカより回しやすいです。

フェイクレンズの改造元になることがある

なお、インダスター22は外観がエルマーと似ているため、フェイクライカのレンズの改造元にもなっています。
少しでもライカレンズの実物を見たことがあれば、仕上げの質が違いすぎるので騙されることはないと思いますが、ネット上で購入する際には注意しましょう。

ライカのエルマーについてはこちらの記事で解説しています。

エルマー5cm F3.5・F2.8「元祖」ライカレンズを中古で味わう!

余談:FEDとZorki

フェド2とフェド5
フェド

ゾルキー4
ゾルキー

旧ソ連製のライカLマウントカメラとして有名な、FED(フェド)とZorki(ゾルキー)
2つの違いは、上級機か普及機かということです。

基本的にはZorkiが上級機、FEDが普及機。
Zorkiにはスローシャッターがありますが、FEDにはありません。

セットで販売されたレンズも異なり、Zorkiには開放値が明るいJupiterが、FEDには暗いIndustarが付けられたことが多いようです。

Jupiterについて詳しくはこちら

オールドレンズ入門に最適なロシアレンズ「ジュピター」(Jupiter)まとめ

もしロシアカメラに興味を持ったら、ぜひFEDやZorkiを手に入れてみませんか?

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Industar(インダスター)銘のレンズ紹介 一眼レフ用篇

次に、一眼レフ用のインダスターについて解説します。

Industar銘の一眼レフ用レンズのマウントは、大きく分けて2種類。
M42スクリューマウントと、M39 ZENITマウントです。

Industar-61 L/Z(M42マウント)

noimage

レンズ構成 3群4枚
マウント M42マウント(一部M39 ZENITマウントもあり)

Industar-61 L/Z 50mm F2.8は、上で紹介したインダスター61と同じ名称。
ですが、こちらはM42マウントの一眼レフ用レンズです。

レンズエレメントが奥まった見た目から連想されるように、なかなか被写体に寄れるレンズです。
焦点距離50mmながら、ピントリングには0.3mまで数字が刻まれています。

星ボケが楽しめるレンズ

M42マウント用のIndustar-61 L/Z 50mm F2.8の有名な特徴。
それが、「星ボケ」が楽しめるレンズだということです。

星ボケとは、ピントが合っていない場所にある光の点が、星の形になるということ。
これは絞りの形状が要因です。

Industar-61 L/Z 50mm F2.8の絞りは6枚羽根。
じつは絞りを操作すると、F4〜F8くらいにかけて、絞りの開口形状が六芒星になります
このため、ピントが合っていない(アウトフォーカス)場所の光が、その形にボケてくれるのです。

M42マウントのロシアレンズとしてはHelios-44と並び中古が安価なので、M42レンズ入門にも最適です。
一部、ZENIT用M39マウントのものもあるため中古を探す際には注意しましょう。

なお、絞りはプリセット式です。

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Industar-50-2 50mm F3.5(M42マウント)

Industar-50-2 50mm F3.5

レンズ構成 3群4枚
マウント M42マウント

インダスター50-2 50mm F3.5は、ロシア製のパンケーキレンズとして有名なもの。
薄いだけでなく直径も非常に小さく、一眼レフ用レンズとしては最小の部類といえるでしょう。
ペンタックスのKマウントにアダプターで取り付けると、マウントがはみ出してしまうくらい小さいのです。

Industar-50-2 50mm F3.5

外装は黒色。

絞りはクリックのない手動絞りで、フィルムカメラやデジタル一眼レフでは実絞りで絞り込み測光となります。
この操作方法は、自動絞りが不要なミラーレス一眼カメラでは逆に使いやすいものです。

このインダスター50-2は、M42マウントのロシアレンズとしては中古でもっとも安価な部類のレンズ。
性能的に華はないですが、持っていても損はしないといえるでしょう。

Industar-50-2 50mm F3.5

インダスター50-2 50mm F3.5作例

テッサータイプかつ、F3.5という中庸なスペックもあり、ピントの合った場所はキレキレです!
モノコートでフレアやゴーストも楽しめますよ。

ボディ:SONY α7

インダスター50-2作例

インダスター50-2作例

Industar-50 50mm F3.5(M39マウント)

インダスター50(M39)

レンズ構成 3群4枚
マウント M39 ZENITマウント

Industar-50 50mm F3.5は、上記のIndustar 50-2 50mm F3.5の前身。

違いはレンズマウントです。
こちらは、M39 ZENITマウントとなります。
ネット通販で数百円で購入可能なM42-M39アダプターを使用することで、M42マウントで問題なく使用可能となります。

外装は黒と銀で2種類あります。
基本的には上記のインダスター50-2と同様のレンズですが、アダプターが必要な分、中古は少し安いです。

M39 ZENITマウントについて

Helios-44 M39マウント
M39マウントと変換リング(画像のレンズはHelios-44

M39 ZENITマウントとは、旧ソ連の一眼レフカメラ ZENIT(ゼニット)の初期の機種で使われていたマウントのこと。
以下のような特徴があります。

フランジバックはM42マウントと同一
マウント形状はライカLマウントと同一

そのため、マウントのネジを内径39mmから42mmに変換するアダプターリングを取り付けることで、M42マウントのカメラやマウントアダプターで問題なく使用することが可能です。

Helios-44 M39マウント
変換リングを取り付けた状態(画像のレンズはHelios-44

M39のZENITマウントは1960年代に、M42マウントに置き換えられています。

ZENITマウントが生まれた理由

一眼レフカメラを作るなら最初からM42マウントを採用すればよかったように思えますが、なぜM39マウントをわざわざ作ったのでしょうか?

理由はいくつか考えられますが、もっとも有力なのは、引き伸ばし機のレンズと共用するため

引き伸ばし機のレンズマウントは、ライカLマウント互換がデファクトスタンダードとなっています。
かつてレンズが高価だった時代は、撮影用のレンズを引き伸ばし機に取り付けて、引き伸ばすことが行われていたといいます。

もしレンズをM42マウントにしてしまうと、引き伸ばし用のレンズが別に必要になってしまうため、あえてマウント形状を統一したことが考えられるのです。

(いま引き伸ばしに撮影用レンズを使うのは、レンズに負担をかけるのでやめましょう)

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インダスターは初めてのオールドレンズにもおすすめ

もともと中古が安価なロシアレンズですが、インダスターはそのなかでも手に入れやすいレンズ。
オールドレンズ入門にも最適です。

ミラーレス一眼カメラでオールドレンズを使う方法についても解説しているので、ぜひ併せてご覧ください!

ミラーレスカメラとオールドレンズの使い方 取り付けと本体の設定方法徹底解説

マウントアダプターの種類と選び方まとめ ミラーレス一眼に合うマウントアダプターを買うには?

もちろん、ロシアレンズはフィルムで撮影しても高性能。
旧ソ連のレンズは安価にもかかわらず、非常にレベルの高い描写を味わうことができますよ。
ぜひ、ロシアレンズでオールドレンズを楽しんでみませんか?

著者紹介:サンライズカメラ

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