特別連載ブログ フィルムカメラのある生活

2018.05.17

マウントアダプターの使い方!オールドレンズで撮影する方法とは?

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マウントアダプターの使い方

今回は、ミラーレス一眼カメラにマウントアダプターを取り付けて撮影する方法について解説します。

マウントアダプターとは、カメラ本体のマウントと、レンズ側のマウントを変換するためのアクセサリーのこと。
現在、カメラ側・レンズ側ともに、ほとんどのマウントに対応したマウントアダプターが販売されているため、幅広いオールドレンズを手軽に使うことが可能です。

さて、それでは実際にマウントアダプターを使うには、どうしたらよいのでしょうか?
また、これからマウントアダプターを購入するときに注意したいことは?

実際にマウントアダプターを使ってオールドレンズで撮影している筆者の経験も交えて、ミラーレス一眼カメラで初めてマウントアダプターを使う方のためのポイントを徹底解説します!

ぜひあなたも、この記事を参考にオールドレンズを使ってみてくださいね!

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マウントアダプターとは

まず最初に、マウントアダプターとはどのようなものか解説します。

マウントアダプターの役割

ミラーレス一眼カメラでオールドレンズを使って撮影するときに使う道具、それがマウントアダプター。

マウントアダプター

マウントアダプターの役割は「カメラとレンズをつなぐ」ことです。

α7とマウントアダプター

α7とマウントアダプター

カメラとレンズをつなぐ。
そのために、マウントアダプターは2つの役割をもっています。

・マウントの形状を変換する
・フランジバックを変換する

ということです。

マウントの形状を変換

カメラとレンズがつながる部分には「マウント」(レンズマウント)という部品があります。

Eマウント
現代のレンズマウントの例:SONY Eマウント

PENTAX SP
オールドレンズのマウントの例:M42スクリューマウント

このマウントは、カメラやレンズのメーカーごとに異なります。
また同じメーカーでも、時代によってマウントが異なることがあります。

通常は、カメラ本体とレンズは、「同じマウント」のものでないと装着することができません。

そこで、マウントアダプターは、両側にそれぞれ別のレンズマウントの形状をもつことで、マウントが異なるカメラとレンズをつなぐことができるようになっているのです。

アダプターでマウントを変換
上の写真で紹介している「SONY Eマウント」と「M42スクリューマウント」をマウントアダプターで変換。

フランジバックを変換

マウントアダプターのもうひとつの役割が「フランジバックを変換する」ということです。

フランジバックとは「レンズマウント面」と「イメージセンサーやフィルムの面」の距離のこと。

レンズマウントごとに、このフランジバックの規格は異なります。

一般的に、
一眼レフカメラ:フランジバックが長い
ミラーレス一眼カメラ、レンジファインダーカメラ:フランジバックが短い

という特徴があります。

ミラーレス一眼カメラはフランジバックが短い

デジタル一眼レフカメラはフランジバックが長い

フランジバックが違うと、レンズを物理的に取り付けることができても、うまくピントを合わせることができません。

具体的には……

フランジバックが長いボディに、フランジバックが短いレンズを付ける
→遠距離(無限遠)でのピントが合わずに、近くのものしか撮影することができない

という問題が生じます。
いっぽうで、フランジバックが短いボディにフランジバックが長いレンズを取り付けた場合には、「無限遠」よりもさらに遠くにピントを合わせようとしてピントが合わない状態(オーバーインフ)になるものの、物理的には撮影可能です。

フランジバックが短いカメラがマウントアダプター向き

さて、マウントアダプターを使う場合「フランジバックが短いカメラ」が最適です。

SONY α7
フランジバックが短い「ミラーレス一眼カメラ」

その理由が、

フランジバックが短いカメラのフランジバックを長くするのは簡単
なのに対して、
フランジバックが長いカメラのフランジバックを短くすることはできない
ため。

マウントアダプターは、カメラボディのマウントの上に「重ねて」装着するもののため、基本的にはカメラ本体よりもフランジバックが長いレンズマウントにしか変換できないのです。
(シネレンズ用など一部を除く)

マウントアダプターでオールドレンズを使うことが流行するようになったのも、フランジバックが短いミラーレス一眼カメラが登場したからこそ。

ミラーレス一眼カメラなら、フランジバックの短さを利用して、一眼レフカメラ用レンズだけでなく、レンジファインダーカメラ用レンズや、シネレンズ(16mmや8mmの映画用レンズ)までも取り付けることが可能なのです。

参考:代表的なレンズマウントのフランジバック

一部、「オールド」と呼ぶには新しいものも含みますが、参考に代表的なレンズマウントのフランジバックを紹介します。

ミラーレス一眼カメラのフランジバック(ボディ側)

SONY Eマウント:18mm
Fujifilm Xマウント:17.7mm
Canon EF-Mマウント:18mm
マイクロフォーサーズ:20mm
Nikon 1マウント:17mm
PENTAX Qマウント:9.2mm

一眼レフカメラのフランジバック(主にオールドレンズ側)

Nikon Fマウント:46.5mm
Canon FDマウント:42mm(Rマウント、FLマウントも同一)
PENTAX Kマウント:45.5mm
MINOLTA SRマウント:43.5mm(MCマウント、MDマウントとも呼称)
OLYMPUS OMマウント:46mm
YASHICA/CONTAXマウント:45.5mm

M42スクリューマウント:45.5mm
エキザクタマウント:44.7mm

MINOLTA Aマウント:44.5mm(αマウント、SONY Aマウントも同一)
Canon EFマウント:44mm

OYLMPUS PEN Fマウント:29.3mm

※Canon EFマウント、MINOLTA Aマウントのボディは、それよりもフランジバックの長いレンズの母艦としても使用可。

レンジファインダーカメラのフランジバック(オールドレンズ側)

ライカLマウント:28.8mm
ライカMマウント:27.7mm
Contaxマウント:31.75mm
Nikon Sマウント:31.95mm

その他カメラのフランジバック(オールドレンズ側)

CONTAX Gマウント:29mm
Fujifilm TXマウント:34.3mm

マウントアダプターの装着方法

マウントアダプターを介して、ミラーレス一眼カメラにオールドレンズを取り付ける方法を解説します。

取り付け方法自体はとても簡単。
ミラーレス一眼カメラに普通にレンズを取り付けるのと、大きく変わることはありません。

装着方法や使い方については、以下の記事でも詳細に解説しているので、参考にしてください。

ミラーレスカメラでオールドレンズを使うには?マウントアダプターでの撮影方法

1.必要なもの

ミラーレス一眼カメラのカメラ本体(ボディ)。

取り付けたいオールドレンズ。

そして、カメラ本体とオールドレンズにそれぞれ適合したマウントアダプターを用意します。

ミラーレス一眼カメラ
カメラ本体

マウントアダプター
マウントアダプター

MC ROKKOR 50/1.4
レンズ

2.カメラボディにマウントアダプターを装着

まず、ミラーレス一眼カメラのカメラボディにマウントアダプターを取り付けます。

装着方法は、ミラーレス一眼カメラ専用のレンズを取り付けるときと同じ。

マウントアダプターをレンズマウントに押し付けたら、時計回りに「カチッ」と音がして止まるまで回します。

回して装着

3.オールドレンズを取り付ける

オールドレンズをミラーレス一眼カメラに取り付けます。

取り付け方はレンズマウントごとに異なりますが、ほとんどのマウントは、上記のマウントアダプターの取り付け方と、方法自体は同じです。

バヨネットマウントの装着

以下に、現代のものとは取り付け方が異なるレンズマウントの扱い方を解説します。

Nikon Fマウント

Ai Nikkor 50mm F1.2
Nikon Fマウントのレンズ

これは現代のニコン製デジタル一眼レフカメラも同じですが、ニコンFマウントは、装着時の回転方法が反対になっています。

装着時には反時計回りに回します。

スクリューマウント(ねじマウント)

Super Takumar 55/1.8
スクリューマウントのレンズ

スクリューマウント(ねじマウント)とは、レンズマウント自体が、口径の大きな「ねじ」になっているマウントのこと。

スクリューマウントの装着

M42スクリューマウントやライカLマウント(L39マウント)が代表的です。

装着時には、レンズとマウントアダプターを合わせて、ネジが止まるまで「時計回り」に回して、ねじ込んで取り付けます。

スクリューマウントの装着

スピゴットマウント

スピゴットマウントとは、カメラとレンズを噛み合わせたあとに、「固定リング」を回して固定するレンズマウントのこと。

Canon FDマウントが有名です。

Canon FD 50/1.4 SSC
スピゴットマウントのレンズ

こちらは、レンズの基部をマウントアダプターに押し付けたあとに、根本のリングを止まるまで回すことで固定します。

4.取り外し方

取り外すときは、上記と反対の手順となります。

注意するのは、オールドレンズ−マウントアダプターの間、マウントアダプター−ミラーレス一眼カメラのボディの間、ともにロックがかかっていること。

取り外すときには、マウントアダプターや、カメラボディにあるロック解除ボタンを押し込みながら、装着時と反対向きに回して取り外します。

ロック解除ボタン

(なお、上記のスクリューマウントのオールドレンズには、ロックはとくに存在しません)

マウントアダプターの撮影方法

マウントアダプターを装着したときの撮影方法についても、以下の記事で詳しく解説しています。

ミラーレスカメラでオールドレンズを使うには?マウントアダプターでの撮影方法

簡単に撮影方法を解説すると、以下のような流れとなります。

Aモード(絞り優先AE)での撮影方法

簡単に撮影できるのが絞り優先AE。
初めてマウントアダプターでオールドレンズを使う場合、この方法が手軽です。

1.モードダイヤルを「A」に合わせる

ミラーレス一眼カメラのボディ本体をAモードにします。

モードダイヤルをAに

2.オールドレンズの絞りリングを回す

オールドレンズ本体にある「絞り」リングを回します。

絞りリングを回す

すると、ミラーレス一眼カメラの液晶画面/ファインダーの「シャッター速度」が追従して変化します。

絞り優先AE時のシャッター速度の変化

絞り優先AE時のシャッター速度の変化

絞り優先AE時のシャッター速度の変化

絞り優先AE時のシャッター速度の変化

3.シャッター速度を適正な値に合わせる

1/125秒よりも高速なシャッター速度に合わせます。
(手持ち撮影の場合)

シャッター速度を1/125以上に

こうすることで、手ブレを防ぐことが可能です。

4.ピントを合わせる

オールドレンズは基本的にマニュアルフォーカス(手動でピントを合わせる)です。

オールドレンズ本体のピントリングを回してピントを合わせます。

ピントリング

ピントリング

ピントは、液晶画面やファインダーに表示される像を見て合わせます。

像が「最もくっきりした場所」がピントが合った箇所となります。

ピントが合っていない
ピントが合っていない

ピントが合っている
ピントが合っている

5.撮影する

シャッターボタンを推して、撮影します。

Mモード(マニュアル)での撮影方法

次に、Mモードでのマニュアルでの撮影方法を解説します。

1.モードダイヤルを「M」に合わせる

ミラーレス一眼カメラのボディ本体をMモードにします。

Mに合わせる

2.カメラ本体のシャッター速度を設定する

おおむね、慣れるまでは1/125秒〜1/500秒くらいに合わせるのが無難だといえるでしょう。

マニュアル露出時の画面表示

3.オールドレンズの絞りリングを回す

レンズ本体の絞りリングを回します。

絞りリングを回す

すると、液晶画面に表示されている「露出計」の表示が変化します。

露出オーバー

露出アンダー

4.露出計の表示を参考に、絞りを適正な値に合わせる

液晶画面の「露出計」の表示が「±0」になったら、絞りリングをストップします。

適正露出

5.ピントを合わせる

ピントを合わせます。

方法は、上で解説した「Aモード」のときと同じです。

6.撮影する

これで準備完了。

撮影します。

ミラーレス一眼カメラとオールドレンズでの撮影方法は、以下の記事で詳細に解説しています。
ぜひこちらも参考にしてください。

ミラーレスカメラでオールドレンズを使うには?マウントアダプターでの撮影方法

マウントアダプターの選び方

さて、それでは、これからマウントアダプターを使って撮影するときに、どうやってマウントアダプターを選べばよいのでしょうか?

マウントアダプターを選ぶには、まず「カメラボディ」と「オールドレンズ」双方に適合するものを選ぶことが必要です。

マウントアダプターを選ぶには

使いたいカメラボディとオールドレンズに適合したマウントアダプターを購入するには、まず、商品名をチェックしましょう。

どのメーカーでも、マウントアダプターの商品名には「ボディ側のマウント」と「レンズ側のマウント」の双方が記載されています。

いくつか例を挙げると、

「MD-NEX」(ミノルタMDマウントとSONY Eマウント)

MD-NEXアダプター

「M42-NEX」(M42マウントとSONY Eマウント)

M42-NEXアダプター

「L39-NEX」(ライカLマウントとSONY Eマウント)

L39-NEXアダプター

「C/Y-EOS M」(ヤシカ・コンタックスマウントとCanon EF-Mマウント)
「EOS-EOS M」(Canon EFマウントとCanon EF-Mマウント)

EOS-M用アダプター

といったように、マウントアダプターの上面に、どのようなマウントに対応しているかが書かれていることがほとんどです。

※ただし、同じ組み合わせのマウントアダプターでも、メーカーにより「L39-NEX」「NEX-L39」といったように、ボディ側とレンズ側のマウント名を並べる順番には表記の揺れがあります。

ボディ側のマウント

この記事でも上で紹介したように、カメラボディ側のマウントはほとんどの場合以下のものに限られています。

ミラーレス一眼カメラ

SONY Eマウント(NEXと表記)
Fujifilm Xマウント(FXと表記)
Canon EF-Mマウント(EOS Mと表記)
マイクロフォーサーズマウント(オリンパス・パナソニック)
Nikon 1マウント
PENTAX Qマウント

一眼レフカメラ

Canon EFマウント(EOSと表記)
PENTAX Kマウント(M42マウント用のみ)

「いま持っているデジタルカメラのボディ」に合ったマウントアダプターを購入するようにしましょう。

注意1:SONY Eマウントは「NEX」と表記されていることがある

SONYのミラーレス一眼カメラは、最初の頃は「NEX」という名称で販売されていました。

NEX-7
SONY NEX-7

そのため、SONYのミラーレス一眼用レンズマウント、Eマウントのマウントアダプターには「NEX」と書かれていることがあります。

L39-NEXアダプター

SONYのミラーレス一眼カメラを使っている方は「NEX」と書かれたマウントアダプターを購入してもOKです。

注意2:オリンパス・パナソニックの場合「マイクロフォーサーズ」用を購入

オリンパスE-P3

オリンパス(OLYMPUS)とパナソニック(Panasonic)は、「マイクロフォーサーズ」という共通の規格を用いています。

そのため、両社のカメラを使っている方は「マイクロフォーサーズ用」という商品名のマウントアダプターを購入することとなります。

「マイクロフォーサーズ」は略して「M4/3」と表記されていることが多いです。

その他にも、ボディ側の表記はマウント名の場合とメーカー名の場合のどちらもあるので、購入時には注意しましょう。

オールドレンズ側のマウント

レンズ側についても、例えば「M42−NEX」と書いてあった場合の「M42」という表記のように、使いたいレンズのマウントが表示されているものを選べばOK。

Super Takumar 55/1.8
例:M42マウントのレンズには

M42-NEXアダプター
例:「M42」と書かれたマウントアダプターを用意

ただし、表記が「メーカー名」の場合と「マウント名」の場合があるので、使いたいレンズのマウント名をあらかじめ調べておくとスムースです。

代表的なマウントを例に挙げると、以下のように表記されています。
(これは一例で、メーカーにより異なります)

表示例

Nikon Fマウント:Nikon
Canon FDマウント:FD
PENTAX Kマウント:PK
MINOLTA SRマウント(MCマウント、MDマウント):MD
OLYMPUS OMマウント:OM
YASHICA/CONTAXマウント:C/Y
M42スクリューマウント:M42
エキザクタマウント:EXA

MINOLTA Aマウント:MINOLTA(AF)
Canon EFマウント:EOS

OYLMPUS PEN Fマウント:PF

ライカLマウント:M39
ライカMマウント:L/M

CONTAX Gマウント:C/G
Fujifilm TXマウント:XPAN

マウントアダプターの賢い選び方

さて、それではこれからマウントアダプターを購入するなら、どんなメーカーの製品がおすすめなのでしょうか?

定評あるマウントアダプターのブランドを紹介します。

1.K&F CONCEPT

まず、K&F CONCEPT。

品質と値段の面でバランスが非常に取れているという点で、非常におすすめできるマウントアダプターのブランドです。

MD-NEXアダプター

EOS-M用アダプター

日本国内では「焦点工房」が提供しており、サポートも充実。

筆者もK&F CONCEPTブランドのマウントアダプターを常用していますが、特段実用にあたって不具合はなく、十分以上にオールドレンズの性能を楽しめています。

廉価なノーブランド品と比較してみても、マウントアダプター内の内面反射にも気が配られていることがわかります。

K&F CONCEPT製アダプター内部
上:K&F CONCEPT製品……内部の光が反射する部分が最小限

廉価なアダプター内部
下:ノーブランド品……内部に光が反射しやすい銀色の部分が多い

筆者が使っている製品の場合、多少オーバーインフ気味ですが、廉価なマウントアダプターには「無限遠が出ない」ものがあるため、実用するうえでは良心的な設計だといえるでしょう。
※「オーバーインフ」については後述します。

また、筆者が実際に使ったのは200mm程度までではありますが、望遠レンズをつけた場合にも、歪むことなくしっかりとカメラとレンズを固定してくれていました。

もちろん、より高価なマウントアダプターも他社から販売されていますが、実際にさまざまなオールドレンズを楽しむうえで、性能面・価格面ともにこれ以上の選択肢はないといえるのではないでしょうか。

どのマウント用も、基本的に2,000円台で購入可能です。

2.Voigtlanderのマウントアダプター

ライカMマウントのレンズをミラーレス一眼カメラで使いたい場合、コシナ・フォクトレンダー(Voigtlander)製の「VM E-mount Adapter」もおすすめです。

K&F CONCEPT製よりも高価ですが、高価なライカレンズや、コシナ製の高級レンズでの使用を前提としていることもあり、仕上げはとても上質。

ライカレンズの味をいっそう引き立ててくれるでしょう。

安価なマウントアダプターってどうなの?

さて、ここでおすすめしたK&F CONCEPT製品よりも、更に安価なマウントアダプターも実は存在しています。

実際、ネット通販では、特にブランドを表示していないマウントアダプターが数百円から販売されていることも……。

とくに、M42マウントやライカLマウントなどのスクリューマウントは、加工が非常に簡単なことから、得体の知れない製品が数多く存在しています。

結論からいえば、これら、度を越して安価なマウントアダプターを購入するのはギャンブルで、ハズレを引く可能性があります。

実際に筆者の失敗談を紹介すると……

1.ガタが大きくて使用不能

SONY Eマウント−ライカLマウントのマウントアダプター。

実は最初に購入したものは、ガタが大きすぎて、まともに使用することができませんでした

確かにボディに装着することはできたのですが、ボディとマウントアダプターの接続部分に隙間があり、レンズのピントリングや絞りリングを回すと、レンズがミリ単位で動いてしまうのです。

同じものをもう一つ購入したところ、運良くそちらは大丈夫だったのですが、合計金額を考えると、最初からK&F CONCEPTなどの信頼できるメーカーを選んだほうが良かったと思っています。

ガタがあるマウントアダプター
同一製品だが、個体差が大きく、右はガタが大きく使用不能

2.アダプター面が歪む

歪んだマウントアダプター
SONY Eマウント−Nikon Fマウントのマウントアダプター

Nikon Fマウント用のアダプターの中でも、最も廉価だったものを購入しました。

最初、50mm F1.4のような比較的小型のレンズを使っていたときには特に問題はありませんでした。

問題が発生したのは、望遠レンズを取り付けてみたとき。
70-210mm(Series E)を試しに取り付けて使ってみたところ、気づいたらマウント本体の部品が歪んでしまっていたのです。

歪んだマウントアダプター
マウント面の部品が歪んでいる

Nikon Series E 70-210
その際に装着していたのと同じレンズ

通常、レンズマウントの本体(銀色の部品)が歪むなどということは考えられません。
それだけ、部品に使われている金属の素材がよくなかったということです。

実際のところ、マウントアダプターには強度上の重量制限があり、説明書や商品解説に記載されています。
それにしても、望遠レンズとしては特段重くない70-210mmを取り付けただけで歪むというのは、品質に疑問を持ってしまいます。
300mm F2.8あたりを取り付けたのならまだしも……。

3.無限遠が出ない

マウントアダプターで撮影するうえで、重大な問題となるのが「無限遠が出ない」ということです。

無限遠が出ないとは、装着したオールドレンズのピントリングを「無限遠」まで回しても、実際に撮影する画像では、無限遠にピントが合わず、手前にピントが合ってしまうこと。

筆者が持っているマウントアダプターを例として挙げると……

無限遠が出ないアダプター
上の画像のように、レンズのピントリングは無限遠になっています。

ところが、この状態で液晶画面のピントを拡大してみると……。

無限遠が出ないアダプター
遠景にはピントが合わず、手前の部分にピントが合ってしまっているのです。

このような「無限遠が出ない」マウントアダプターで撮影しようとすると、どう頑張っても、遠景にピントを合わせることができません。

(もちろん絞りを絞り込んで被写界深度を深くすれば、見かけ上ピントを合わせることは可能です。しかし、絞りを開いてピントを合わせることはどちらにせよ不可能です)

この症状が発生する理由は、マウントアダプターの製造上の誤差。
マウントアダプターの厚みが、本来の設計値より「厚い」と、無限遠が出なくなってしまいます。

筆者の場合、ネット通販で購入した、数百円程度の廉価なマウントアダプターで「無限遠が出ない」症状が起こっています。

「無限遠が出ない」症状を回避するには

無限遠が出ない症状を回避するには、設計時に対策が行われているマウントアダプターを選ぶ必要があります。

対策方法は2つあります。

まず、厳密に精度を出して、無限遠がぴったり出るようにすること。
しかし、そのようなマウントアダプターはとても高価で、1万円以上することが普通です。

もうひとつの対応策が、あらかじめ「オーバーインフ」気味に設計されたマウントアダプターを選ぶということ。

オーバーインフについては、以下で解説します。

オーバーインフとは

オーバーインフとは、レンズのピントリングを無限遠に合わせたときに、ピントの位置が「無限遠より遠く」に合わさること。

通常、レンズのピントリングは「無限遠」より先には回りません。

無限遠
無限遠は通常、∞マークで表示される

そのため、例えば山や海といった遠くの被写体をマニュアルフォーカスで撮影するときには、ピントリングを無限遠に合わせておけば、とりあえずピントが合った写真を撮影することが可能です。

いっぽうで、オーバーインフになってしまうマウントアダプターを使用した場合には、レンズのピントリングを無限遠に合わせた場合、「無限遠より遠く」にピントを合わせようとした状態になるのです。

筆者が持っているマウントアダプターを例に挙げると……

オーバーインフのマウントアダプターの実例

マウントアダプターを介して、遠景にピントを合わせようとしている場合。
オーバーインフだと、どのような状態になるのでしょうか?

レンズは無限遠になっている

遠景を撮影する場合、通常はレンズのピントリングを無限遠(∞)に合わせます。
上の画像でも、そのように操作をしました。

ところが、液晶を見ると。

オーバーインフでピントが合っていない

レンズは無限遠になっているのに、遠くの被写体にピントが合っていません。
(手前にピントが合っているということでもありません)

レンズの距離指標は、無限遠の次が10mとなっています。
被写体は明らかに10m以上先にあるので、通常なら、この撮影距離なら無限遠で問題なくピントが合うはずです。

これがオーバーインフ、すなわち、ピント位置が遠くに行き過ぎている状態です。

そこで、オーバーインフを解消するために、ピントリングを少し、近距離側に回してみます。

ピントリングを近距離側に回す

ほんのわずかだけ、ピントリングを回しました。

すると、

ピントが合った

無事、ピントを合わせることができました。

拡大を終了した状態
参考:上記の画面の拡大を終了し、撮影したときの画像……明らかに遠くの被写体は10m以上離れている

このように本当の「無限遠」にピントを合わせるためには、レンズ上の無限遠の表記よりも「少し手前」にピントリングを回すこととなるのです。

一見すると、遠く(無限遠)の被写体を撮影する場合にもピントを合わせる作業が必要となり、手間が増えてしまうだけのように思えます。

しかし、マウントアダプターの設計時には、「あえて」オーバーインフ気味に設計されることがあります。

マウントアダプターがオーバーインフ気味に設計される理由

マウントアダプターがオーバーインフ気味に設計される理由。

それが、「設計上の誤差を吸収するため」。

マウントアダプターの製造誤差

マウントアダプターは、あくまでもカメラボディやレンズのメーカーと関係のない、第三者(サードパーティ)による製品です。

そのため、設計・製造時にどうしても、元のメーカーが想定したフランジバックの数値とずれが生じる可能性があります。

そこで、あらかじめ「オーバーインフ気味」すなわち、実際よりも寸法を若干短めに作っておくことで、「無限遠が出ない」問題を防いでいるのです。

仮に設計・製造時の誤差が「実際の寸法より長め」になってしまうと、上で解説した「無限遠が出ない」症状を引き起こします。

いっぽうで、あらかじめ「オーバーインフ気味」にしておけば、誤差があっても、ピントリングを回せば無限遠にピントを合わせることが可能です。

このことは、製造時のコストダウンにも役立ちます。

いま、さまざまなレンズマウント用のマウントアダプターを、どれも廉価に手に入れることができるのは、このような設計上の工夫のため。
もちろん精度がぴったり出ていることが本当はベストですが、そうすると、どうしてもマウントアダプターの値段が跳ね上がってしまいます。

手軽にオールドレンズを楽しむなら、多少オーバーインフ気味のマウントアダプターを選ぶのが実用的な選択肢だといえるのではないでしょうか。

特殊なマウントアダプター

さて、他にもマウントアダプターには独特の機能を持ったものがあります。

1.ヘリコイド内蔵マウントアダプター

マウントアダプター自体にヘリコイド(ピントを合わせる機構)を内蔵したものです。

主な用途は、
「レンジファインダー用レンズでの近距離撮影」。

ライカLマウントやMマウントのレンズは、最短撮影距離が1mか、短くても0.7m程度までなのが普通。

一眼レフカメラ用レンズの場合、標準レンズでは0.5m前後が一般的なのに比べ、近距離撮影に制限があります。

そこで、ヘリコイドを内蔵することで、レンジファインダー用のオールドレンズの撮影範囲を広げることを実現したのです。

また、ヘリコイド内臓のマウントアダプターには、マクロ撮影が可能なものも。

組み合わせによっては、ヘリコイドのない、「引き伸ばしレンズ」での撮影も可能となります。

2.電子接点付き

電子接点がついたマウントアダプターも存在します。

こちらは、オールドレンズを楽しむというよりも、ミラーレス一眼カメラで最新のレンズを使用することが目的。

Canon純正(EFマウント−EF-Mマウント)やSONY純正(Aマウント−Eマウント)のように同一メーカーのレンズ同士を変換するもの。

Canon純正マウントアダプター
Canon純正 EFマウント−EF-Mマウントアダプター

SONY純正マウントアダプター
SONY純正 Aマウント−Eマウントアダプター

また、Canon EFマウントのレンズをSONY Eマウントに変換するものなども存在します。

Canon EFマウント−SONY Eマウントのアダプターは、AF、AEともに完全に動作するため、実用品としても定評あるもののようです。

3.絞りリング付き

絞りリングのないレンズ、例えばNikonのGタイプAFニッコールを、ミラーレス一眼カメラで使うためのマウントアダプターです。

機構的にはとても単純で、マウント面にある絞り込みレバーを、マウントアダプターに内蔵されているリングを回すことで直接動かすというもの。

当然、絞り値の数字を見ることはできませんが、液晶画面やEVFを見ながら、適正露出に合わせて使用することが可能です。

一眼レフカメラとミラーレス一眼カメラを併用している方にとっては、とても便利な製品だといえるでしょう。

「機械的に」絞りを制御するという原理上、同様のマウントアダプター製品は、レンズとボディの絞り連動が機械的に行われているマウントに限られます。
電子連動のマウントは、上で紹介した電子接点付きのマウントアダプターが必要です。

4.ピントリング付き(CONTAX G用)

1990年代に一世を風靡した、オートフォーカスレンジファインダーカメラのCONTAX Gシリーズ。

カール・ツァイスの名レンズたちは、いまも歴史に残るものですが、以前はマウントアダプターでの使用がとても難しいものでした。

理由は、ピントリングがないため。

オートフォーカスでの使用が前提のレンズのため、ピント合わせはボディ側で行う構造となっていたのです。

ところが、いまではこのCONTAX G用のレンズでピント合わせが可能なマウントアダプターも登場しています。

超広角のホロゴンやビオゴンをはじめ、専用マウントアダプターを使うことで、名レンズたちが使い放題。

ぜひあなたもフルサイズミラーレス一眼カメラで、カール・ツァイスの銘玉を味わってみませんか?

マウントアダプターでオールドレンズを楽しもう!

オールドレンズを楽しむときに必要なマウントアダプター。

基本的には使いたいボディと、使いたいオールドレンズに適合するものを選べばOKです。

オールドレンズの中でもとくにメジャーな、M42マウントやライカLマウント、ニコン・キヤノン・ミノルタなど日本製の一眼レフカメラ用のマウントは、種類さえ間違えなければ、取り付けるだけでとくに問題なく使用することができますよ。

品質については、定評あるメーカーのものを選べば、問題なく撮影を楽しむことができるでしょう。

ぜひあなたも、マウントアダプターを使ってお気に入りのオールドレンズを味わってみませんか?

著者紹介:サンライズカメラ

サンライズカメラは、いまでは数少くなってしまった「フィルムカメラ専門店」の使命として、フィルムカメラに関する情報を公開し続けています。 「こんな記事が読みたい」というご要望がありましたら、お気軽にFacebook、Twitter、お問い合わせフォームなどからご連絡ください。カメラ愛好家のみなさん、これからフィルムを始めたいみなさんとお話できることを楽しみに待っています。

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