特別連載ブログ フィルムカメラのある生活

2018.03.21

「リトルニコン」Nikon EM 優美な小型一眼レフを中古で使ってみませんか?

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Nikon EM

今回は、ニコンが1980年に国内発売したフィルム一眼レフカメラ、Nikon EMについて解説します。

中古のフィルム一眼レフカメラを探すときに、もしかすると気になるかもしれないのが、男性的な、マッシブなデザインのカメラが多いということ。
とくに日本製のカメラは、確かにデザインとしては美しくても、少し力強すぎるものが多いきらいがあると思います。

そんな「力強いカメラ」の代表格であるニコンが、初めて本腰を入れて、流麗なデザインを取り入れたのがこのNikon EM。
デザインをイタリアの世界的工業デザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロが担当し、シンプルながらすみずみまで完成されたボディラインは、ニコンどころか同時代のフィルムカメラでもっとも美しいレベルのもの。

さらに、それまでは大きく重い一眼レフカメラが多かったニコンが、一挙に小型・軽量化も実現。
いまでは小型軽量のデジタル一眼レフカメラが老若男女に受け入れられているニコンですが、その流れはこのNikon EMに始まったといっても過言ではありません。

今回はそんなNikon EMについて、中古フィルムカメラ専門店、サンライズカメラのスタッフが紹介します。

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Nikon EM

まず、Nikon EMとはいったいどんなカメラなのか特徴を見ていきましょう。

Nikon EMの性能・スペック

Nikon EM

形式 35mmフィルム一眼レフカメラ
シャッター速度 B、1秒〜1/1000秒
電子式(B、1/90秒は機械式)
縦走り金属幕フォーカルプレーンシャッター
露出計 TTL開放測光
SPD受光素子
露出 絞り優先AEのみ
(バルブ・1/90秒は可)
ファインダー 視野率約92%
倍率約0.86倍
レンズマウント ニコンFマウント
対応レンズ Ai以降の絞り環つきレンズ
(非Aiレンズは使用不可)
電池 SR44もしくはLR44を2個
発売年 1980年(国内)
1979年(海外)

それまでのニコンとは異質な一眼レフカメラ

Nikon EM

1980年に登場したNikon EM。

多くの意味で、それ以前のニコン製の一眼レフカメラとは大きく異なるカメラでした。

それまでのニコンのカメラといえば、質実剛健。
ベトナム戦争、植村直己の冒険、新聞記者の道具。

高性能かつ高い信頼性というイメージがあるのと同時に、スタイリッシュさとは縁遠いものだったといえるでしょう。

ところが、ニコンは1980年代に入り、一挙にカメラのデザインにも気を配るようになりました。

具体的には、世界有数のインダストリアル・デザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロ(Giorgetto Giugiaro、1938〜)を起用。
統一されたブランドイメージが形作られるようになるのです。

そんなNikon EMは、ジウジアーロ・デザインの新生ニコンの実質第一弾とも呼べる製品。

見た目の流麗さはもちろんですが、機能面でもそれまでのニコンにはない特徴を備えていました。

ニコン唯一のオート専用一眼レフ

Nikon EM

Nikon EMが機能面でそれまでのニコンと大きく異なる意欲作であった点。

それが、「絞り優先AE専用機」という点でした。

それ以前のニコンの一眼レフカメラは、すでに電子シャッターの絞り優先機は登場していたものの、基本的にはマニュアル露出での操作を前提としたもの。
撮影シーンによってマニュアルとAEを使い分けるための設計が施されていました。

対してNikon EMは、大胆にもマニュアル露出を切り捨て、絞り優先AE専用のカメラとなりました。

これはすなわち、「カメラを理解している愛好家」から、「カメラに詳しくないユーザー」へとターゲットを変えたということです。
実際、このNikon EMはデザインや操作性を決めるにあたり、女性ユーザーへのマーケティングを強く意識したといわれています。

絞り優先AE専用カメラをニコンが投入したのには、営業上の理由もありました。
オート専用一眼レフカメラとして実質的に元祖となったのが、1976年のペンタックスME。
それを皮切りに、オート専用モデルとマニュアル可能モデルとが入り混じってはいますが、1977年のCanon AE-1や1979年のOLYMPUS OM10など、安価なAE機が市場を席巻するようになったのです。

それまで、比較的高価格帯のカメラに強みを持っていたニコンも、廉価なフィルム一眼レフカメラの投入を迫られます。

そこで、大胆なコストカットを行ったNikon EMが開発されることとなったのです。

とはいえ、ニコンのオート専用機はこのNikon EMが唯一で、それ以降は廉価機でもマニュアル露出が搭載されました。
(なお、APSサイズの一眼レフカメラにはオート専用機が存在します)

電池が切れても撮影続行可能

とはいえ、Nikon EMが電子シャッターのオート専用機となったことには問題もありました。
それが、電池が切れると絞り優先AEでのオート撮影ができなくなってしまうということ。

ですが、そこは流石のニコン。
1/90秒と、B(バルブ)だけは機械式シャッターとして残し、仮に電池が切れても、手動で絞りを決めて撮影できるようにしたのでした。

Nikon EM

1/90秒というシャッター速度は、標準レンズをつけたときに一応は手ブレせずに撮影できる速度。
日中ならなんとか、最低限の撮影を行うことが可能です。

また、バルブも機械式で残したのも的確な判断でした。
仮にバルブを電子制御にしてしまうと、シャッターを開いている間、ずっと電池が消耗してしまいます。
その点機械式なら、天体撮影や夜間の長時間露光も、電池を気にせずどんどん行うことができるのです。

ニコンEMの魅力

それでは、ニコンEMにはいったいどんな魅力があるのでしょうか?

ニコン随一の流麗なボディライン

Nikon EM

Nikon EMは廉価な機種ながら、いまでも一定のファンがいて、状態の良い中古品にも価値が認められています。

その理由はなによりも、ニコンのカメラ製品でもっとも美しいのではないかといわれるボディライン。

Nikon EMがここまで美しいデザインに仕上がったのは、限られた機能とコストで最大限に使いやすいカメラを作るという、コンセプトが明確だったからに違いないでしょう。

カメラ以外でもそうですが、デザインは無駄な部分がなければないほど美しいものとなります。
Nikon EMに使われているパーツのデザインには、理由が説明できない部分がありません。

すみずみまでデザイナーの意図が行き届いたカメラ。
それこそがNikon EMの魅力であり、中古での人気の秘密でもあります。

Nikon EM

Nikon F3の姉妹機

このNikon EMは、最上級機のNikon F3とセットで語られることが多い機種でもあります。

それは、Nikon EMとNikon F3の2機種が、同時期に同じジウジアーロの手によって、同じコンセプトでデザインされたカメラであるため。

Nikon EMにはF3のような赤ラインこそないですが、各部のデザイン処理はF3を連想させるものとなっています。

廉価機種ながら最上級機のエッセンスを味わえる。
中古で人気の高いNikon EMは、そんな魅力もあるカメラなのです。

Nikon F3について詳しくはこちら

名機ニコンF3 完全ガイド! Nikon F3の機種・使い方を徹底解説

初心者におすすめの簡単操作

初心者でも使えるフィルム一眼レフカメラをコンセプトに作られたNikon EM。

もちろんいまでも、これから中古で初めてフィルムカメラを手にするという方にとっても使いやすい機種だといえるでしょう。

操作は簡単。
レンズの絞りリングを回して、シャッターボタンを押すだけです。

それでいて、写りは同じニコンのレンズを取り付けた他の一眼レフと同様。

簡単操作で、高品質な写真を楽しむことができますよ。

Nikon EM

大きく見やすいファインダー

中古カメラ愛好家にとってはあまりにも当たり前すぎて見過ごされがちですが、Nikon EMのファインダーは、現代の目から見るととても見やすいものです。

視野率約92%、倍率約0.86倍というスペックは当時としては平凡ですが、オートフォーカスフィルム一眼レフやデジタル一眼レフに比べると、ずっと広く大きいもの。
この数値は実はFMやFEとほとんど同等のもので、ニコンがファインダーには手を抜かなかったことがよくわかります。

もちろんマニュアルフォーカス機なので、マット面でのピントの山の捉えやすさも良好。

見やすいファインダーでマニュアルフォーカスを楽しむことが存分にできますよ。

小型軽量

前述したように、Nikon EMはニコンのフィルム一眼レフカメラとしてはもっとも小型・軽量な部類に入るカメラ。

持ち運びはとても簡単。
いつでも撮影を楽しめます。

さらに、後述する専用レンズを組み合わせることで、より取り回しが良好になりますよ。

Nikon EMの専用レンズ「Series E」

さて、そんなNikon EMには、実は専用のレンズが用意されました。

その名も、「Nikon Lens Series E」。

Nikon EMにもっとも似合うレンズです。

Nikon Lens Series E

Series E 50mm F1.8
Series E 50mm F1.8

Nikon Lens Series Eは、Nikon EMに取り付けて使うことを前提に発売されたレンズ。
そもそもは海外でNikon EM用に発売されたものが、日本国内でも販売されるようになったものです。

名前こそニッコールではないですが、マウントは共通のニコンFマウント。
れっきとしたニコンの純正レンズです。

それまでのニコンFマウントのニッコールレンズに比べ、プラスチックを積極的に使用し軽量化。
コストダウンも行われ、当時はニコンFマウントのレンズの入門編といった立ち位置で販売されていました。

コーティングもマルチコートではなくモノコートとなっています。

Series Eの焦点距離一覧

Series E 36-72mm F3.5
Series E 36-72mm F3.5

Nikon Lens Series Eには、以下の焦点距離のものが存在します。
(途中でモデルチェンジが行われたものもあり)

・28mm F2.8(海外のみ販売)
・35mm F2.5
・50mm F1.8
・100mm F2.8
・135mm F2.8(海外のみ販売)
・36-72mm F3.5
・70-210mm F4
・75-150mm F3.5

うち、上位商品のニッコールとバッティングする28mmと135mmは、国内では販売されませんでした。

では具体的にはどのレンズがおすすめなのでしょうか。

35mm F2.5が断然おすすめ

Nikon EM
Nikon EMとSeries E 35mm F2.5

もしNikon EMをこれから中古で手に入れるなら、ぜひおすすめしたいのがSeries E 35mm F2.5。

この準広角35mmレンズは、実質的にNikon EMのセットレンズとして開発されたもの。
それだけにサイズや重量バランスもNikon EMにジャストフィット。

デザイン面でも操作性でも、Nikon EMは、この35mm F2.5を取り付けて初めて完成するといえるくらいです。

次にもう一本買うなら、こちらもNikon EMにぴったりの外観の、100mm F2.8がイチオシです。

Series E 100mm F2.8
Series E 100mm F2.8

Nikon EMのバリエーション

最後にNikon EMのバリエーションを紹介します。

国内版と海外版

日本国内では1980年に発売したNikon EMですが、実は国外では先んじて1979年に登場していました。

見た目が微妙に異なり、国内版ではメッキ仕上げの逆光補正ボタンとバッテリーチェックボタンが、海外版では青色でアクセントになっています。
また貼り革の意匠も異なります。

Nikon随一のスタイリッシュな一眼レフ EM

Nikon EMは、デザインの流麗さならニコンで一番でしょう。

すみずみまでこだわり抜かれたデザインの、小さく軽い一眼レフカメラを愛でる。

ぜひあなたも、かわいいニコン、EMを使ってみませんか?

著者紹介:サンライズカメラ

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