特別連載ブログ フィルムカメラのある生活

2017.02.13

Fuji Natura Classica 最後のコンパクトカメラ

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Fujifilm Natura Classica(ナチュラ・クラシカ)。

2006年という、フィルムカメラの新規機種としては最終期にリリースされたコンパクトカメラです。

このカメラには、他のコンパクトカメラとは一線を画した特徴があります。
それが、「ノンフラッシュ撮影」を前提としたこと。

超高感度フィルム「Natura 1600」の使用を前提としたこのカメラ。
四角い端正なボディに搭載したスーパーEBCフジノンレンズが、どんなシチュエーションでもナチュラルな質感を切り取ります。

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Natura Classicaの性能・スペック

Natura Classica

まず最初に、Fujifilm Natura Classicaの特徴とスペックについて見てみましょう。

Natura Classicaの概要

形式 35mmコンパクトカメラ
レンズ スーパーEBフジノン 28mm~56mm F2.8~F5.4 5群6枚
フォーカス アクティブオートフォーカス
遠景モード(無限遠固定)あり
シャッター 2秒〜1/360秒
露出 プログラム
フィルム巻き上げ 自動巻き上げ・巻き戻し
オートローディング
ストロボ 内蔵
使用電池 CR2リチウム電池1個
ボディ色 黒・白の2色

明るいズームレンズを積んだコンパクト

Natura Classica

2001年に登場したNatura SにはじまるNaturaシリーズ。
2006年に登場したNatura Classicaは、コンセプトをそのままに、さらに便利になったカメラです。

Fujifilm Naturaシリーズのコンセプト。
それが、それまでのコンパクトカメラでは実現することが難しかった、フラッシュを焚かずに暗い場面で撮影するということです。

スペックはそのことを強く意識したもの。

まず特筆すべきは、ズームレンズながら、広角側が開放F2.8という明るさであることでしょう。

それまでのズームコンパクトでは、どうしても開放側もF3.5以下と暗くなってしまうのが普通。
F2.8のレンズが欲しければ、ズームは諦めるほかなかったのです。

その点Natura Classicaでは、広角側の明るさと、ズームの便利さを両立。
日本製レンズのなかでも最高性能として名高いフジノンレンズと、ヌケの良さや逆光耐性の高さで知られるスーパーEBCコーティングで、悪条件下でも雰囲気ある写真を撮影可能です。

クラシックな外装とシボ貼り

Natura Classica

外観もNatura Classicaの魅力を更に高めています。
ボディはプラスチック製ながら、高級感ある仕上げはけっして高級コンパクトに引けをとりません。

そして、往年の金属カメラを彷彿とさせるシボ革は、見た目とともにホールディングした際の快適性も向上させています。

クラシックな見た目とは裏腹の高性能。
Natura Classicaは見た目と性能を兼ね備えたコンパクトカメラなのです。

Natura Classica

コンパクトカメラは「表現重視」へ

ノンフラッシュ撮影をコンセプトに開発されたカメラ、Natura Classica。
デジタルへの完全移行を目前として、フィルムコンパクトカメラがたどり着いた新境地を実現しています。

なぜ、その境地に至ったのか。
そこには、「暗所での撮影にどう対応するか」というコンパクトカメラの歴史が関係していました。

かつてコンパクトカメラは明るいレンズを積んでいた

1950〜1960年代。
この時代の金属製コンパクトカメラには、現代でも人気のあるものが多いです。

その理由は、搭載された明るいレンズ。
1950〜60年代には、廉価なカメラであってもF1.7〜F2クラスの明るいレンズが搭載されていることが普通でした。
最低でもF2.8は必須。
F3.5は相当な安物、といっても過言ではありませんでした。

その理由が、多少の暗所でも撮影するようにするため。
1950年代は未だ、ISO100のフィルムが高感度と呼ばれていたような時代。
60年代になるとISO100がやっと常用フィルムとなりますが、それでも現代に比べれば相当な悪条件です。

そんな感度の低いフィルムで撮影できるようにするために、コンパクトカメラにも明るいレンズが求められたのです。
しかし、それでも、部屋の中や夜などの撮影には相当な難しさが伴っていました。

コンパクトカメラを変えた「ピッカリコニカ」

1975年。
そんなコンパクトカメラを大きく変えたエポックメイキングなカメラが登場します。

それがコニカC35EF(ピッカリコニカ)。
世界初のストロボ内蔵カメラです。

ストロボ搭載により、どんな暗い場所でも、一応は写真を撮ることができるようになったのです。
コンパクトカメラへのストロボ内内蔵は一気に当然のことになっていきました。

コンパクトカメラのレンズは暗くなっていった

ピッカリコニカをきっかけに、コンパクトカメラの搭載レンズはどんどん暗くなっていきました。

ストロボがあるのが当然。
それならレンズは暗くてよい。

それ以降コンパクトカメラのF値はF2.8が標準となっていきます。

さらに、ズームレンズの搭載もそのことに拍車をかけました。
コンパクトカメラに掛けられるコストの中ではズームでF2.8を実現することさえも難題。
もちろん望遠側では更に暗くなり、F5.6やF8といったF値も当たり前なのです。

Kyocera T zoom

コンパクトカメラは写れば良い。
記録できれば良い。
そんな意図が見え隠れするのが、1980〜1990年代のコンパクトカメラでした。

その反動として、表現に特化した高級コンパクトも誕生することとなりました。

写真は味わう時代へ

そんなコンパクトカメラの歴史へのアンチテーゼとして生まれたのが、Natura Classicaでした。
富士フイルムが国産フィルムメーカーとしての矜持を見せた、ということなのかもしれません。

フィルムを味わい、質感を楽しみ、空気を切り取る。
その実現のために、カメラとフィルム、双方を同時開発。

2001年には、24mm F1.9のレンズを搭載したNatura Sが登場し、コンセプトはこのNatura Classicaにも受け継がれます。

Natura Black(Natura S)

Natura Sの見た目は普通のコンパクトカメラ然としたものでしたが、Natura Classicaは外観にも気を配ることで、さらに味わいを増すことを実現しています。

高感度高性能フィルム Natura 1600

このNatura Classicaと組み合わせて使用することを前提として開発されたフィルムが、Natura 1600。

特徴は、フィルムにおいては「超高感度」に分類されるISO1600ながら、ISO400のフィルムと比較しても劣ることのない、非常に良好な粒状性をもっていることです。

それまでのISO1600フィルムでは、感度と引き換えに画質が大幅に低下することが普通でした。
しかしNatura 1600では、他の常用フィルムと同じ味わいを、高感度で用いることができるようになったのです。

この記事を書いている2017年2月現在、Natura 1600はまだ販売されています。
Natura Classicaを手に入れたら、ぜひ一緒に使ってみてくださいね。

Natura Classicaでフィルムの空気を楽しもう

フィルムカメラで撮る写真には「空気感」があるとよくいわれます。
フィルムや印画紙という実体のある写真。
フィルムカメラは、その空間の雰囲気や感触まで画面に切り取ることができるのです。

Fujifilm Natura Classicaは、まさにそのことを追求したカメラ。
ぜひあなたの周りの空気を切り取ってみませんか?

著者紹介:サンライズカメラ

サンライズカメラは、いまでは数少くなってしまった「フィルムカメラ専門店」の使命として、フィルムカメラに関する情報を公開し続けています。 「こんな記事が読みたい」というご要望がありましたら、お気軽にFacebook、Twitter、お問い合わせフォームなどからご連絡ください。カメラ愛好家のみなさん、これからフィルムを始めたいみなさんとお話できることを楽しみに待っています。

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